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一級建築士試験に

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受かりました。(製図3回めで。)

というわけでごきげんよう。合格発表は昨年の12月24日(クリスマスイブ)であったが、年末年始は燃え尽きていたため、イマサラタウンな投稿になってしまった。

振り返るとこの試験はとにかく過酷だった。大学入試かそれに匹敵するくらいは。(そりゃ士業だし、受験者の約9割が不合格になる試験だからそれはそう)

記憶がまだあるうちに後進への記録として残しておこうと思う。

何をすべきか?

相対評価の試験であることを大前提として勉強するべきである。合格者数の多少の変動はあるとしても、合格者数はだいたい3000人程度(学科は6000人〜4000人の間くらい)である。

この記事では主に二次試験について述べていくこととするが、一次試験については本項目でさらっと書いておく。

またこの試験は、一次試験の学科試験(マークシートのペーパー試験)と二次試験(実技・設計製図試験)の2つがある。一次試験は正解率4割以上の問題を全問正解する程度に勉強しておけば大方大丈夫であるので割愛する。これについては、大学を卒業していれば、共通一次試験に近いものであると考えよう。とにかく簡単な問題を取りこぼすことがないことが最優先である。正解率の低い問題は間違えてもダメージは低いが、それなりの正解率のある問題を間違えると一気に不合格に近づいていく。また、丸暗記すれば受かるみたいなことを言っている人もいるだろうが、その考え方はとっととゴミ箱に捨て去るべきである。一次も合格率が1.5割〜2割くらい(しかも、受験するには受験資格も必要な上でこの難易度)であるため、まず丸暗記では太刀打ちできない。過去問で問われているものの本質を掘り下げて言い回しが聞かれ方が変わってもちゃんと回答できるようになるようにしよう。足切りもあるので、まんべんなくが重要である。過去問は9.5割くらい仕上げる感じでいけば大丈夫だろう。また、法規科目については、法律である以上問題を難しくするうえでも限界がある。ここは満点を狙うべきである。一方、施工や計画科目は出題範囲が実質無制限(新技術なども平気で出てくる)であるので、足切りを回避するような戦い方を強いられる場合もあることを抑えておこう。

一次試験を突破すると、問題児の二次試験が待ち構えている。こればかりは実技試験であるため、超個人差試験でもある。試験元が求めている考え方が自然とできている人(というか無意識にできてる人)は、さほど苦労せずにパスするが、試験元が求めている考え方から程遠い人(意識的にやらないとその考え方にならないようなタイプ)は、めちゃくちゃ苦労する。私は、後者である。どこかのnoteの記事でも読んだが素直さが大事と言われているがまさにそれである。学生時代から製図が終わっていた自分にとっては、こればかりはマジで堪えた。つまり、自分の性格が二次試験に近いかどうかで、戦略が変わってくる。

二次試験の沼は、一次試験の沼以上に深い†深淵†のようなものである。つまり一次試験で沼っているようではアレである。

受験制度を活用しよう

令和元年度までは、一次の学科試験合格からその年を含めて連続3回受けることができる制度であったが、令和2年度からは一次試験を突破してその年を含む5年の試験うち3回の二次試験を任意で受けられるようになった。二次試験は一次試験を突破したその年に受けようとすると2ヶ月程度しか勉強時間がとれない。具体的には、寝る時間を削っての勉強をしても一周できるかどうか際どい程度の勉強時間しかない。また、前年度二次試験が不合格であった人や、4回めや7回目の二次試験からの人、前年の二次試験受験を見送り、1年間じっくり勉強をしてきた人との勝負になる。お題が出るのは一次試験が終わった頃であるため、お題の発表後からの勉強では、お題以外のところができていない場合まずそこで落とされる可能性が飛躍的に上がってしまう。

またこの試験は二次試験に3回不合格になるとまた一次試験からの受け直しになる。一次試験を複数回合格している人もザラにいることを踏まえても、二次試験の難易度の高さがうかがえるだろう。

つまり作戦としては、5年のうち、どこで3回分の受験機会のうち少なくとも1回受かるかということを考えなくてはならない。また、二次試験は、国語試験のような観点もあり、いかに多数の考え方に埋没できるかも肝になってくる。独創的な考え方は、仮にその考え方があっていたとしても悪目立ちして一気に不合格に近づく。そのため、多数派の考え方を知ることで、塾については、必須であるものの、どこの塾に行くかは、先生の評判を元にして決めたほうが良い。(合格率がやたら高い講師の元で勉強すること。通学だけでなく、通信も含めて考えることが重要。また、通学であっても同じことの繰り返しになるため、2回同じ塾に通って成果がでなければ塾を変えるというのも効果的である。私の場合は、3回めは塾を変えて受かった。)

受験制度を活用と言ったが、この5年のうち3回受けるは戦略として非常に大事である。このような場合は受験を見送って、受験ができる環境を整えてから受けると結果よい場合がある。

  • 一次試験で燃え尽きた(燃え尽き症候群で何も手がつかないで数週間無駄にしてスタートが遅れるのは痛い。一次が終わってその日から勉強する勢いがないと、ニ次を一気に受ける場合は太刀打ちできない)
  • 製図の地力が明らかに足りない(特にエスキス・記述が足りていない場合、建築の基本のキ「敷地を読む、人の流れの理解.etc」ができていないような場合は、見送るのも手である。作図だけはできるが、計画が全くまとまらない。できたが建物として成立していない何かが出来上がるといった状態になる。)
  • 仕事が多忙な部署でまとまって勉強する余裕がない。具体的には、残業が多い場合や休日出勤がバンバンあるような場合(2〜3年おきに異動がある職場であれば、異動して仕事が楽になったタイミングで受ける)
  • 病気をした(治療に専念しよう。良くなったタイミングで受けると良い)
  • 結婚や子供が生まれてすぐ(ワークライフバランスを加味して落ち着いたタイミングで受けよう)
  • 次が受験3回め。基礎からじっくり2年がけでやりなおしたい(最後のチャンスを無駄にしないようにする選択としてはあり)

5年のうちから3回受験が可能となったということで、問題の難易度もそれを前提として引き上げられている。少なくとも、エスキスの基本(手順がためをして、1.5〜2時間でまとめきる地力)、作図(見直し除いて2時間15分以内)、記述の定番問題(構造部材についての選定理由.etc)については、課題発表時点でできるようになっていないと話にならないと思う。課題発表後の2ヶ月は課題建物特有のゾーニング、利用者の特性、国の施策の方向性や業界トレンド、特徴的な用途の理解とそれに応じた記述の勉強を総動員してギリ間に合うくらいの時間感である。コンペに何度も出ているとか、学生時代の製図の成績は常にAだったとか、よほど自分の腕に自信がない場合は、中途半端な地力で試験日を迎える可能性が高いため、個人的に学科からの連続受験はおすすめしない。

ゾーニングと動線の試験

3年めの塾で先生に言われたのが、この試験はゾーニングと動線の試験であるということだ。問題を機械的に解くだけでは意識ができなくなるが、本質はこれである。もちろん、法律違反はしないという前提(法律違反は失格になるので)があったうえで、ゾーニングと動線が成立しているかどうかが比重としては高い。特に敷地の周辺状況とのつながりや、建物の表と裏の考え方ができているかどうかが重要になってくる。自信満々で、景観が最高に良い、公園とか並木道側にトイレを持ってくるようではこの試験には受からない。

人の流れを感覚的に理解できる人は良いかもしれないが、そうでない人(何を隠そう私がそうです)の場合は、ひと工夫が必要となる。3年めの塾の先生に言われたのが、数値を判断基準として条件を整理していくこと、建物全体ではなく、ゾーン単位(管理なら管理・利用者なら利用者)で回答例を抜粋して、どのくらいの可能性であるべき形となっているかを整理することである。自分にはこの考え方がバッチリハマった。例えば、道路の優劣を判断する場合、幅員1mにつき10人が常に歩いていて歩道があるとその2倍が歩いているというように考えていき、多い順に主出入り口を想定していくような方法である。また、この手法は判断の軸も主観が入る余地がなくなり客観的になるので、多数派の意見を理論的に作り上げることもでき、非常に合理的であった。

日本語の試験

記述問題は、いわゆる日本語の試験である。問題について丁寧に答えるとともに、図面との整合性も求められる。「快適性」が答えとして求められているような設問の場合、それが設備的な快適性なのか、意匠的・空間的な快適性の問題なのかで回答も変わってくる。意匠について聞いているのに設備について回答してしまいたくなるが、頓珍漢な回答をして大減点となるので、一歩引いて何についての設問なのか考えてから回答したほうが結果として早く正確な回答ができることが多いと感じた。また、試験元が求めているもの(つまり、客観的によいとされているもの)を回答してあげる必要があるので、回答の軸を主観ではなく客観とするようにする訓練も必要であると思う。

ユーザープランニングを活用しよう

ユーザープランニングis何という方がいると思うので、端的に説明すると、教育的ウラ指導が行っている復元図面と復元要点の提出すると他の人の本試験の復元図面を無料で見られるという画期的なサービスである。参加費も無料であり、復元図さえ上げてしまえばよいというサービスなので積極的に活用しよう。(塾に通っていると復元図をどっちにしろ描くと思うので、そのままデータ化してアップロードすればよいので、負担もそこまでかからないかなと思う。)また、合格発表後には、その年に受けた人のものはランクも一緒に発表されるので、ランクごとに整理してそれぞれの特徴を見ていくことができる。今回の試験もユーザープランニングには参加している。私の復元図はr07up1319であるので、一度みておいても損はないと思う。こんなのでも合格できたので。(改めてみるとかなり雑やなぁ……と。元からアナログが苦手なのでそれはそう)ちなみに、その年の受験をパスした場合や、なんとなくその年の回答が見たい場合は、合格発表日に公開される問題を解いてアップロードすれば同じように図面を見ることができる。私は2024年度の製図試験は受験していないが、問題を後日解いてアップロードすれば普通にユーザープランニングに参加できた。

ユーザープランニングに参加し、ランクが出たあとには公開されている図面を片っ端からランクごとに分けてダウンロードしよう。そして、失格以外のランク1〜ランク3について、記述から見ていき、図面でランク3やランク2にのみ見られている傾向を抑えてまとめていく作業をしていく。図面の適否は見極めが難しいが、記述は日本語であるため、見極めは容易であった。軸を作るインプット作業であるため、2月末までを目処に作業をしてくことが重要である(大体3月くらいから長期コースは始まるので)。ランク4は法令違反や未完なので、法令違反による失格の場合は、ランク4に隠れたほぼランク1(法令違反のみでプランはできているようなやつ)があるため、個人的にランク4はあまり見なくてもいいと思う。

受かったら免許登録をしよう

合格通知書・不合格通知書については、今年からオンラインでダウンロードするようになっている。不合格通知書にはランクが記載されて返却される。私自信ランク2をとった経験もあるが、正直アレはマジで凹んだ。合格通知書の場合、合格番号と顔写真が入った通知書となる。この通知書は、忘れずダウンロードをしておこう。(合格通知書は免許登録に必要)

合格通知書が発行されたら免許登録(リンク先:日本建築士会連合会)となるが、本籍地入りの住民票、顔写真、実務経験証明書、免許登録には登録免許税6万と事務手数料28400円等が必要になる。高ぇ……

この中で一番時間がかかり、かつ登録がややこしいのが実務経歴証明書である。特に役所仕事や、大規模な組織だと、職務内容によっては実務経験としてカウントされる/カウントされないがあるので配属されている部署の業務が実務経験になるかどうか注意が必要である。(試験は受かったけど実務が足りねえから登録できん、修行がいるわな。みたいなことにもなりかねない)

また、実務経歴証明書は、実務にカウントされる業務を行った所属や組織での証明が必要になるので、発行までなかなかの時間がかかると思っておいたほうが良い。また、書類が揃って建築士会に送付したあと、免許が発行されるまで数ヶ月かかるという話も耳にしているので、まだ手元に免許が来るまではちょっと時間がかかりそうだ。免許が来てからが建築士を名乗れる状態である。※なんか家に変えるまでが遠足みたいな感じだと思ったのはいうまでもない。試験に受かった状態では建築士ではないので注意が必要である(適判受けるだけなら免許登録はいらなくて、合格証明だけが必y…おっと誰かがきたようだ)

さいごに

というわけでつらつらと長文になったが記憶が風化する前に記録を残しておく。後進への道標となれば個人的にはいいかなと思っている。

 

 

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